美味い豆腐、美味い蕎麦、美味い日本酒

 

この記事のタイトルを見られた方は「美味い豆腐と美味い蕎麦に美味い日本酒があれば幸せ」という内容だと想像されていることだと思います。期待を裏切るようですが、残念ながら、そういう内容ではありません。

私の味覚のレベルは中の上か上の下くらいだと思っています。つまり、「それほど悪くない」という意味です。外食でレンチンものはすぐわかりますし、化学調味料たっぷりだと舌がしびれてしまいます。農産物で化学肥料をたっぷり使ったらしいものも「ん?」と感じます。

でも、豆腐のおいしさがわからないのです。「おいしい豆腐」と言われても、どうおいしいのかがわかりません。湯豆腐は好物ですが、ポン酢との組み合わせが好きなのです。だから、おいしい豆腐とおいしくない豆腐の違いが分かる人に、是非、どう違うかを私にわかるように説明してほしいと思っています。また、高い豆腐はどのようにおいしいのかの説明も聞きたいと思います。「大豆の香りがぷーんと」という説明はよく聞きますが、私にとってはあまり説得力がありません。

実は、蕎麦も同じです。私にとって、おいしい蕎麦は「出汁が丁寧に取られたもの」で、「蕎麦そのものが蕎麦の味」という説明は意味がわかりません。だから、ざる蕎麦はめったに食べません。つけ汁では出汁の味がわかりにくいからです。ざる蕎麦を食べる時は「まず、蕎麦だけを味わう。その次は塩ををつけて、次につけ汁で」というお店がありますが、蕎麦だけを食べても何の味もしませんし、塩をつけると塩の味しかしません。私は「本当においしい蕎麦」を食べていないのでしょうか。もしそうだとしたら、「本当においしい蕎麦」を紹介してほしいと思います。

さて、日本酒です。豆腐の味も蕎麦の味もわからない私ですが、日本酒の味はわかります。何がわかるかというと「自分の好きな味かそうでない味か」がわかるのです。これはどんな人にも説明ができます。「自分が好きな味だからおいしい酒だ。あなたがどう思おうと私には関係ない」という説明です。実際にはアミノ酸の度合いが大きく関係しているとおもいますし、「キリっと」「まったりと」「さっぱりした」「辛口の」というような形容詞で美味い酒が表現されていますが、そんなことより「自分が好きな味か」が大事だと思っています。酒は、やはり嗜好品で、豆腐や蕎麦とは位置づけが違うからでしょう。

時々、日本酒(地酒)の種類をたくさん置いている酒屋に出向いて4合瓶を2-3本買ってきます。自分が好きだと思う銘柄も買いますが、飲んだことがない銘柄も買うようにしています。面白いのは、妻と私のひと口目を飲んだ時の感想です。例えば妻が「辛口だね」と言った酒でも私は「えっ、甘くない?」「辛いのではなくって、濃いという表現かなあ」と意見が違います。「すっきり」という感想に対して「薄い酒だね」と言ったりもします。表現の違いだけの話かもしれませんが、薄いから不味いという意味ではなく、特徴であればそれを楽しめると思うのです。言い換えると、私にとっては「特徴のない酒は不味い」ということでしょうか。

「緑の草原に春の爽やかな風が流れた時の香りがする日本酒」というようなわけのわからない説明は決していたしません。

あるまかんポイント
・私は日本酒の専門家ではありませんので、この酒が美味いという銘柄紹介は致しません。言いたいけど・・・。
・「日本酒ってどんな料理にも合いますよね。和食はもちろん・・・」、と書こうとしましたが、外食時に日本酒を置いているイタリアンレストランや中華料理屋には行ったことはありません。ただし言いたいことがあるのですが「ワインを置いている寿司屋」は何を考えているのでしょうか。ワインは酢には合いませんし、生ぐさ物にも合いません。やっぱり、寿司や刺身には(美味い)日本酒です。どう思いますか?


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