タイパ !!!!!
約30年前、30代だった私は、町内の「子ども会」の世話役をしていました。月1回の古紙回収を子ども会で行い、それを売ったお金をコツコツと貯めて、子どもたちを簡単な遠足に連れていくというような役です。
今、その町内は「老人の町」ですが、当時は幼稚園児、小学生だけでも20人以上いたと思います。
ある年、子ども会の貯金がたまったので、電車とバスで2時間近くかかるところにある「巨大迷路」に子どもたちを連れて行きました。到着すると迷路の入り口前で子どもたちに入場券を配り、一斉にスタートしました。私も事故が無いように一緒に入っていきました。10分後くらいでしょうか。楽しんでいるかどうかと心配しながら、子どもたちの動きを観察していると、ある事に気が付きました。いつもぎゃあぎゃあと騒いでいる悪ガキ3人組と、迷路の中で、全く出会わないのです。不審に思い、迷路の外に出てみると、その3人が缶ジュースを飲みながらテーブルの所にいました。
「早いねえ。もう出ることができたの?」
「うん・・・」
「3人で。いっしょに出たの?」
「うん、壁の下を通ったらすぐ出た!!」
たしか、迷路は子ども一人が500円くらいのコストだったと思いますが、何という「タイパ」でしょう。他の子どもたちは1時間以上かかってパラパラと「タイパ」悪く(?)出てきました。
映画や、ドラマを早送りにして楽しむというタイパ。私の迷路の経験と似ているような気がしてなりません。本来、楽しむべきは「道に迷うこと」「結論より、経過を楽しむこと」のはずなのに、「こたえ」だけを求めてしまっているような気がします。きっと本などは「かったるくて」読んでいられないのでしょうね。
会社での後進の指導時でも、学校での学生の指導時でも「こたえ」を求める若者が多いと感じていました。「こたえ」ではなく「考え方」を学んでほしいのですが、成果主義や〇×式で育った若者にそれを求めてはいけないのでしょうか。
あるまかんポイント
・すべての若者ということではありませんが、やはり、教育の問題だと考えます。
・「コスパ」でも「タイパ」でもなく、金と時間に関係なく品質のみを追求する「ヒンパ」はどうでしょうか。
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