納豆の怒り
たぶん、納豆はイカッている。苦労して、独自のニオイを はなっているにもかかわらず、正式な名前で読んでもらえていないことに憤慨しているようだ。
納豆は「豆を納める」と書く。どこに納めるかというと、例の「ワラ」である。しかし、ナットウ(ここで、急にカタカナになるのは意図があってのことで、タイプミスではない)の、本質は、ニオイ(匂いか臭いかがわからないのでカタカナにする)であって、ワラではない。
ニオイとは、腐ったニオイのことである。腐った豆のニオイである。腐った豆?では、「豆腐」ではないのか?! そこが怒りのポイントである。
かつて、ナットウの漢字は、納豆ではなく豆腐であった。腐った豆であった。そこに、トウフが来た。「来た」と言うより、「ねじ込んで来た」のほうが正しい。型に納まった豆、つまり、納豆はトウフであった。トウフはナットウであった。ナットウはトウフであった。
訳がわからなくなった。
とにかく、かつて、納豆が豆腐で、豆腐が納豆であった。ここに、異論を挟む余地はない.。
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