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日本酒、始めてみませんか その2

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  日本酒についての蘊蓄(ウンチク)を語るのは、あまり好きではないし、得意ではありません。たぶん、同じ銘柄なら、純米、純米吟醸、純米大吟醸を並べて飲み比べても、違いがわかるかもしれませんが、違う蔵、違う銘柄ならわからないと思います。 私の味覚の話ではなく、それだけ蔵によって味は千差万別だからです。 前回のその1にも書いたように、だからこそ「自分の気に入った酒がうまい酒」だと思うのです。 よく「酒は辛口に限る」という人がいます。それを否定はしませんが、「辛口」と言われても、それだけでは、私はその味を思い浮かべることはできません。舌にピリッとくる辛さもあれば、アルコール度数が少し高い酒もありますし、味の濃い酒もあります。 一口目で「ちょっと味が強いなあ。これを辛いというのかなあ」と感じることはありますが、日本酒の面白いところは、時間がたつと、そんな酒でもマイルドになったりします。 家で飲む時は一日2合と決めています。4合瓶だと2日で空く計算です(実際にはもっと早くなくなります)が、純米系の酒は、空気に触れると変化するので、1日目と2日目では、明らかに味が違います。 前回と同じしめくくりですが、是非、お気に入りの酒を見つけてください。それも、「この酒の2日目」と表現するとかっこいいですね。 あるまかんポイント ・「日本酒度」という指標もありますが・・・。

日本酒、始めてみませんか その1

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 ここ数年、地ビール(クラフトビール)が流行っていると聞きます。スーパーマーケットでも、有名メーカーのビールや発泡酒がたくさん並んでいる棚の一部に、地ビールコーナーを設けているところが多くなりました。地ビールファンに言わせると「日本の地ビールはこれだけじゃないよ」ということかもしれませんが、以前と比べると、多くなったなあと感じます。 何年前でしょうか。ワインソムリエの方のテレビ出演が増え、ワインブームがおこりました。逆に、ワインブームだから、ソムリエが増えたのかもしれませんが、あれ以来、ワインは日本の食文化に定着しているようです。今はワイン通が増え、「xx年のどのブドウの出来がいい」と普通に会話が交わされているそうです。また、価格帯も超高級からお手頃まであり、選択肢が多いのも魅力の一つかもしれません。 さて、日本酒です。日本酒もブームの波が何度か起きているのですが、ワインに比べると小波です。どうしてでしょうか。私が考える限り、原因は3つあります。 まず第1は「若者が日本酒に手を出さないこと」。第2は「『日本酒には和食』のイメージが固定してしまっていること」。第3は「味がよくて、リーズナブルな価格帯の居酒屋で、美味い日本酒を出さないこと」です。 Ⅰ:私の友人にも多いのですが「日本酒を飲んだら、次の日が大変」という人がいます。これを聞いた若者が「日本酒を飲むと危ない」と間違って刷り込まれてしまっているのではないでしょうか。どんな酒でも飲みすぎると次の日は大変です。「日本酒はガブガブ飲む酒ではない」とわかっていれば、大変なことにはなりません。もう一つの「大変回避策」は、「まじめに作られたおいしい日本酒」を飲むことです。 Ⅱ:「日本酒には和食」とか「和食には日本酒」と思っている方にお聞きしたいのですが「(日本の)寿司屋にワイン」はありですか?私に言わせると「あり得ない!」です。ワインを置くとおしゃれに見えるかもしれませんが、ワインは、刺身のような「なまぐさ物」には合いませんし、酢の物にも合いません。では、もうひとつ質問ですが「ブルーチーズに日本酒」は合うと思いますか? はい、合います。とても合います。冷酒ならもっと合います。日本酒は相手を選ばないのです。 Ⅲ:居酒屋には必ず日本酒がありますが、あまり特徴のない酒が置かれています。これには大きな理由があります。一般的に食事処で

タイパ !!!!!

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  「タイパ(タイム・パフォーマンス)」と聞いて、思い出したことがあります。 約30年前、30代だった私は、町内の「子ども会」の世話役をしていました。月1回の古紙回収を子ども会で行い、それを売ったお金をコツコツと貯めて、子どもたちを簡単な遠足に連れていくというような役です。 今、その町内は「老人の町」ですが、当時は幼稚園児、小学生だけでも20人以上いたと思います。 ある年、子ども会の貯金がたまったので、電車とバスで2時間近くかかるところにある「巨大迷路」に子どもたちを連れて行きました。到着すると迷路の入り口前で子どもたちに入場券を配り、一斉にスタートしました。私も事故が無いように一緒に入っていきました。10分後くらいでしょうか。楽しんでいるかどうかと心配しながら、子どもたちの動きを観察していると、ある事に気が付きました。いつもぎゃあぎゃあと騒いでいる悪ガキ3人組と、迷路の中で、全く出会わないのです。不審に思い、迷路の外に出てみると、その3人が缶ジュースを飲みながらテーブルの所にいました。 「早いねえ。もう出ることができたの?」 「うん・・・」 「3人で。いっしょに出たの?」 「うん、壁の下を通ったらすぐ出た!!」 たしか、迷路は子ども一人が500円くらいのコストだったと思いますが、何という「タイパ」でしょう。他の子どもたちは1時間以上かかってパラパラと「タイパ」悪く(?)出てきました。 映画や、ドラマを早送りにして楽しむというタイパ。私の迷路の経験と似ているような気がしてなりません。本来、楽しむべきは「道に迷うこと」「結論より、経過を楽しむこと」のはずなのに、「こたえ」だけを求めてしまっているような気がします。きっと本などは「かったるくて」読んでいられないのでしょうね。 会社での後進の指導時でも、学校での学生の指導時でも「こたえ」を求める若者が多いと感じていました。「こたえ」ではなく「考え方」を学んでほしいのですが、成果主義や〇×式で育った若者にそれを求めてはいけないのでしょうか。 あるまかんポイント ・すべての若者ということではありませんが、やはり、教育の問題だと考えます。 ・「コスパ」でも「タイパ」でもなく、金と時間に関係なく品質のみを追求する「ヒンパ」はどうでしょうか。

(日本語教師の思い出)ジュアンへのメール

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  (このエッセイは第28回随筆春秋賞に応募したものですが、残念ながら落選し、著作権が私の手許に戻ってまいりましたので、このブログで公開します) ジュアンさん、  日本での大学生活が始まって三か月が過ぎましたね。元気にしていますか。もう、大学には慣れましたか。ジュアンさんは誰とでもすぐに親しくなることができ、日本語学校の卒業時には日本語も上手に使えるようになっていたので日本人の友だちもたくさんできていると想像しています。  私は、親の介護をしなければならなくなり、三月三十一日で日本語学校での教師の仕事をやめました。せっかく楽しく外国人留学生のみなさんの進学のお手伝いができていたのに辞めることになって、とても残念です。この前、街で偶然、国立大学の工学部に合格したチョウさんに会ったので、そのことを話すと「先生の進学指導が受けられない後輩は、かわいそうですね」とも言ってくれて、とてもうれしかったです。  そう言えば、この間、東京の大学に行ったシュウさんからメールが来ました。日本の文化や社会のことについて、もっといろいろな人と話をしたいけれど、学校の中にはそんな話をする友だちがいないと悩んでいました。  ジュアンさんの大学生活はどうですか。大学での勉強はうまくいっていますか。中国人のジュアンさんにとって、日本語の法律用語を理解して覚えるというのは大変だと思いますが、ジュアンさんなら大丈夫ですよね。  私の日本語の作文の授業では「ファッション」や「化粧品」のことばかりをテーマにしていたジュアンさんが、突然、「法学部に行きたい」と言った時はとても驚きました。でも、ジュアンさんが本気で法学部進学を考えていることを知り、何としても力になってあげたいと感じました。ただ、今だから言えますが、「先生、私、マスクをしていたほうが可愛く見えるので、大学のオンライン面接試験はマスクをしたまま受験してもいいですか」と私に質問した時は、内心、「やっぱり法学部合格は無理か…」とも思いました。その私の予想を裏切って「先生、合格しました!」と涙を流しながら私のところに来たときは、私も、目頭が熱くなりました。  確か、私の最初の授業で話したと思いますが、私が進学指導の担当を希望したのは「若い人を助けたい」という気持ちからでした。私は、人種や国籍や性別に関係なく、若い人が夢や希望を持って前に進んでいく姿を見

年賀状 or 年賀状メール or 年賀状+年賀状メール

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  「今年で年賀状を止めます。その代わり、メールかLINEで」という年賀状が2通来ました。実は私も数年前に行き来がなくなった方に対して「年賀状ではなくメールで」と記した年賀状を出したことがあります。その時は「年賀状だと『お元気ですか。私は元気です』になってしまって味気がないので、メールで詳しく近況を伝えます」という気持ちでした。 そのため、こちらから出す年賀状メールには「有閑館新聞」と名付けた私の近況を新聞の形にしたものを添付しています。 その年賀状メールに慣れてきた今年は面白いことを発見しました。日本文化の「年賀状のやり取り」をせずにメールで済ますことについては、多少の違和感があるのですが、「こちらがメールで詳しい近況を伝えれば、先方も詳しい近況を教えてくれて臨場感がある」のです。 私の年代はパソコンにもメールにも慣れ親しんできているので臨場感のあるメールが書けるのかもしれません。でも、もし、こちらから送る年賀状メールが「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」だけだったら、やっぱり、ちょっと寂しいかもしれません。この記事に添付しているのは「有閑館新聞」のブランク版で本物はしっかりと記事で埋まっています。 実は、私にとって、2022年はあまりいい年ではありませんでした。今年は良い年にするように努力しなければいけないと思っています。 あるまかんポイント ・有閑館新聞はMicrosoft WordでA4の大きさをイメージして作成し、それをPDFにしています。今年は、エッセイも掲載したので3ページになってしまいました。 ・たぶん、スマホでしかメールを見ない人にとって、このPDF添付(約400kバイト)(写真を多く使うともっと大きくなる)は大迷惑だと思います。わかってはいるのですが、添付しています。