「やっぱり、人はそれぞれ」と感じた話

「有閑館新聞(あるまかんしんぶん)」という壁新聞PDFを年1回発行し、年始に知人友人宛にメールで発送している。そもそもの目的は、年賀状に「ご無沙汰しております。お元気ですか。」と書いても、先方が元気かどうかがわかるのは1年後の年賀状な訳だし、昨今の印刷のみ年賀状をいただくだけでは、それさえもわからなくなっていることへの対応策で、せめて、こちらの近況だけでも詳しく伝えなければと考えたことがきっかけで、もう7年続いている。

その有閑館新聞を通じて「やっぱり、人それぞれ、とらえ方が違うんだ」と感じた話。

今年は、自身の近況だけではなく、フェイクニュースをフェイクと断ったうえで掲載した。以下がそれである。

経産省特別トイレ対策発表

経済産業省は最高裁の判決「トランスジェンダーの女性(元男性)が女性用トイレに入れないのは違法」という判決を受け「トランスジェンダー用トイレ」を新設した。通称「トラジェントイレ」はトランスジェンダー専用だが、元男性か、元女性かは問わない。ただ、元女性の利用者から「元男性と同じトイレを使うのは納得できない」と経産省を告訴することを決めた。経産省はこの状況から、「元男性用トラジェントイレ」「元女性用トラジェントイレ」に加え、「L用」「G用」「B用」を増設する計画を提示し、告訴を取り下げるよう協議の場を設けたが、市民団体から「税金の無駄遣い」と告訴されることになった。ただし、経産省は国連の人権委員会から「多様性を重視している」と表彰されることになっているらしい。

短い記事だが、これに対して、「面白い発想だ」と言う感想や「多様性重視の時代ですね」という感想があった。この感想が「やっぱり、人それぞれ、とらえ方が違うんだ」と感じた理由である。

私は、このフェイク記事を通じて何を言いたかったのか、お分かりいただけるだろうか。

  • 最高裁のポピュラリズム化の危うさ
  • LGBTと言うものの本質の不透明さ
  • 官僚(経産省)の短視眼性、しいては、政治の短視眼性、および、両者のポピュラリズム化
  • 国連の浅はかさ
  • (これは隠れたテーマだが)「日本をLGBTに優しい国にする」と言った馬鹿な政党への批判
  • (派生形として)「夫婦別姓が重要テーマ」だという馬鹿な政治家たちへの批判
つまり、私は、権威的なものや無能な政治を批判しているのであり、決して多様性を云々しているのではない。むしろ「LGBT=Diversity」という定義を忌み嫌っている。

上の箇条書きのに「ポピュラリズム化」という言葉を使用しているが、リベラリズムと混同されがちなポピュラリズムとは違い、ここでは、「世間のご機嫌取り」というような意図で使っている。

「多様性」「LGBT」などというテーマを使っておけば、人気取りができると考える司法、立法、行政。私の嫌いな「SDGs」という国連が考えたバズワードに「表面的」という点で似たものを感じるのである。

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