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10月, 2022の投稿を表示しています

グローバリゼーションとイノベーション

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  会社員時代の同僚の名言がある。「USでやればイノベーション( innovation )、ドイツでやればスタンダーダイゼーション(standardization)、日本でやればデビエーション(deviation)」というものである。(deviationとは規則/標準からの逸脱を意味する) 名言としか言い様の無い名言である。 当時、私たちは革新的なアイデアと業務の標準化を求められていた。例えば、この名言家は「発表されたばかりのWindows10を使って営業業務を標準化する」という提案をした。しかし、それはdeviationだと一蹴された。標準として定義されていないOSの使用は社内ルールからの逸脱であり、イノベーションとも認められないというのである。私も同様のことを数多く経験した。 私はこの3つのカタカナ語の定義をしたいわけではなく、日本や日本人がする事への海外からの色眼鏡を感じると言いたいのである。 名言家のアイデア例は一企業内の話であるが、どこか日本の国の状況と似ていないだろうか。日本が日本的経営を捨て、成果主義を唱え、労働力の流動化を叫び、ガラケーというイノベーションまでをも捨てて欧米に追随しようとしたが、今や、欧米は自国の価値観を重視する方向に変わってきている。一周遅れを取り戻すには、日本独自の価値観を打ち立てるしかないのではないだろうか。 あるまかんポイント ・ガラパゴスと呼ばれた日本独特のものはガラケーにとどまりません。拡大解釈すると、アニメもマンガも日本的経営も国民皆保険も日本語も日本語の婉曲な言い回しもがガラパゴスなのだと思います。でも、それが、文化というものではないのでしょうか。右傾化すべきと言っている訳ではなく、「ガラパゴス的なものを捨てること=文化を捨てること」にならないように気をつけたいものです。

海外からの留学生を日本の大学に入学させる話 【なぜあなたは日本に?】

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志望理由書を作成したり、面接練習を始めたりするときには学生自身が自分のことをよく知らなければいけません。「自分の長所・短所」「志望する学部/学科とその理由」「卒業後の進路」などと並んで「日本に留学する理由」もそのうちのひとつです。 「日本のアニメ/マンガが好きだから」が一番多い答えですが、「日本の経済発展を学びたいから」「日本の進んだ科学を尊敬しているから」「日本文化が好きだから」が続きます。でも、日本の経済も陰りが見え、科学(特にコンピュータ系)も低迷している現在、これらの理由はあまり根拠のないものになってしまっています。また、「好きな日本文化は?」と質問しても「アニメ/マンガ」という答えになってしまいます。日本のアニメや漫画は確かに素晴らしいものですし、芸術と呼んでもいいくらい高品質なものも多く見受けられます。しかし、それを日本の文化の代表と思われていると思うと、少し寂しい気がします。 私は留学生たちの大学受験に際し「日本に留学した理由をアニメ/マンガと言わずに、もっと視野を広げて考えること。ウソでもいいから。」と指導してきました。もしも私が大学側の人間だったら、志望理由書や面接でアニメ/マンガばかりが出てくるとうんざりするだろうと思うからです。 では、どんな理由がいいのでしょうか?日本への留学理由と大学入試合否の関係の統計は取っていませんが、もしも食や食のマーケティングに関する学部志望であれば「日本で本物の寿司を食べたかった」でもいいでしょうし、社会学部や法学部であれば「日本の技能実習生の実態を知りたい」でもいいかもしれません。 あるベトナム留学生(環境経済学部志望)は「日本が高度成長期に悩んでいた公害問題をどのように克服したのかを自分の目で見てみたかった」と表現しました。これが私の経験で一番立派な留学理由です。 あるまかんポイント ・本末転倒なのですが、指導する立場の教師も「どうしてあなたは日本に?」を一緒になって考えなければ答えを見つけることはできないと思います。 ・アニメ/マンガでも「聖地巡礼」まで表現できるといいかも。

[閑話休題] 呟きたいわけではないのですよ

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Twitterにアカウント登録をし「Twitter始めました。ブログもやっています。よろしく。」と初ツイートした。目的はこの有閑館ブログへの誘導(のみ)である。呟きたいわけではないし、呟きたいテーマがあれば、このブログに記事として掲載する。140文字以内で呟くなどということはしない。 ところが、Twitterへの「はじめまして」の初ツイートの数秒後、2つのアカウントから「一緒に頑張りましょう」というリ・ツイート(RT)が来た。「既読スルー」は失礼かと思い「よろしくお願いいたします」とひとつのRTに再RTしたとたん(「Twitterに既読スルーの概念はない」ことは後で知った)、今度は仕事につなげたそうなRTが。RSSやAtomのような機能があるのだろうか(知らんけど)。 私のブログ(例: 自分に合った仕事マイペースで? や 「ワーク・ライフ・バランス」の1 , 2 , 3 を読んでいただければお分かりになると思うのだが、私の仕事に対する価値観は「楽して儲けよう」ではなく、その対極にあるもので、残念ながらTikTok上で意味もなく踊る女性や主張のないYouTuberには興味を持たず、嫌悪感さえ覚えてしまう人間である。 私のTwitter上のツイートにRTしていただく皆さん。是非、私のブログをお読みになってからRTしてください。 このように私の呟きは140文字には収まらない。(ここまで530文字!)

京都 醍醐寺で 鶴田一郎~ミューズたちの祈り~

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  2022年10月18日、京都の醍醐寺で開催されている「醍醐寺霊宝館秋季特別展 鶴田一郎~ミューズたちの祈り~」に行ってきました。 鶴田一郎画伯は化粧品会社ノエビアのCMで美人画(添付)を披露した画家です。CMをご存知ない方でも「ああ、これか」とおわかりになると思います。 平日だったのと京都の紅葉にはまだ少し早かったため、館内は混雑しておらず、ゆっくりと作品を拝見することができました。 近年は美人画にとどまらず、仏画や琳派をイメージした絵画の創作も行っておられ、それらもすべて展示されており有意義な時間を過ごすことができました。 作品は素晴らしいものばかりでしたが、それだけではなく、醍醐寺が保有する国宝、重要文化財の仏像が鶴田一郎画伯の作品群の間に展示されており、素晴らしいコラボレーションでした。 また、DVDで映されていたインタビュー映像の中で「美人画の職人ではなく芸術の制作者として名前を高めていかないと私の絵を持っている方に申し訳ない」「美しいものを美しく描いているだけであり、絵画の奥に何らかの意図を持っているものではない」という意味のことを仰っていましたが、ご自分の作品、芸術、人生などを論理的に語られる方だという印象で、それが作品にも投影されているのだと感じました。 (この展覧会は2022年12月4日まで開催されています) あるまかんポイント ・「空海推し」の私にとって醍醐寺は馴染みの深いお寺で、今年の6月に拝観に訪れたばかりでした。(醍醐寺については、別の記事に書くことにします) ・私のこのブログには、 弥勒菩薩 のことや ヒガンバナ のことを書いていますが、鶴田画伯もモチーフとして弥勒菩薩、ヒガンバナを取り入れられていることを知り、大変驚くとともに、失礼ながら親近感を覚えました。

海外からの留学生を日本の大学に入学させる話 【希望の学部/学科を決める】

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  「希望の学部/学科を決める」というタイトルに「えっ、何を勉強したいのかを決めずに日本に来たの?」という疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれません。そうなのです。(私の経験から言うと)そういう留学生がいるのです。それも、一部ではなく、それなりの割合でいるのです。もちろん、希望の学部/学科を決めている留学生が多いのですが「学部は決めているが、学科はまだ決めていない」という留学生もいます。 「学部で一括募集」という大学もあれば、「学科ごとに募集」という大学もありますが、どちらにしても「何を勉強したいか」が決まらないことには、受験する大学も決まりませんし、志望理由書を書くこともできません。 「何を勉強したいのかがわかっていない」留学生にはいくつかの特徴があります。 ・親に「大学は行っておいたほうがいい」と言われた(お金持ちの家の子ども?) ・家業を継ぐために勉強したい(何の勉強をすべきかはわからない) ・日本の経済、技術力の先進性に憧れた(いつの話?) ・日本の文化が好きだ(文化と言っても、ほとんどがアニメか漫画の話) ・起業して金持ちになりたい(勉強を飛び越えている・・・) さて、ここからコンサルテーションが始まります。そのために指導者側に必要なものは「どんな学部/学科で、何を教えているか」の情報です。大学もあの手この手で学生を集めようと学部/学科名に工夫を凝らしていますが、それに迷わされず本質を見極めて留学生に説明できなければいけません。 私が困ったのは「アニメの勉強をしたい」という留学生でした。ある大学では芸術学部の中にアニメ・マンガ学科があり、その中にキャラクターコース、映像コース、ストーリーコースというようにコースまで分かれていたりしました。コンサルテーションは「アニメなの?マンガなの?」から始まり、「キャラクターデザイン」にたどり着くまで、3回の面談を行いました。 経営学部が経営学科とマーケティング学科に分かれている大学もあります。その区別を要求するのも酷な話ですが、ある留学生は最後までその違いが判らないままでした(大学には合格しましたが・・・)。 あるまかんポイント ・この後に続く「志望校/受験校の選定」も同じですが、「何を勉強したいか」については、とにかく学生と話すことで進めるしかありません。学生がオーナーシップを持たなければ、この第1歩は乗り切れないので

日本語のなぞなぞ 「1本のペン」

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  「1匹の羊」のなぞなぞは大好評でした。 では、もうひとつ、問題です。 😀は、いっぽんのペンです。 😒は、にほんのペンです。 😣は、さんぼんのペンです。 😢は、なんほんのペンでしょうか? あるまかんポイント ・おわかりのように、このなぞなぞも、先日のものも日本語の数詞と数助詞の発音の問題です。「日本語は難しい」と言われます。「難しい」というより、「繊細」という評価にすると文化的に聞こえるのですが・・・。

日本語のなぞなぞ「1匹の羊」

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  日本語教師のみなさん。授業で時間が余ったら、こんななぞなぞはいかがでしょうか。 海外からの読者のみなさんも考えてみてください。でも、英語や中国語に翻訳するとなぞなぞの意味がわからなくなりますので、日本語で考えてください。 日本語のなぞなぞです。 図を見てください。☜は「いっぴきのひつじ」を表します。☟は「にひきのひつじ」を表します。☝は「さんびきのひつじ」を表します。 では、問題です。 ☞は、なんびきのひつじを表すでしょうか ? (1匹か2匹か3匹だけです。4匹以上はありません。) わかった人はコメント欄に答えを書いてください! あるまかんポイント ・私のクラスでヒント無しにわかったのはインドネシア出身の女の子、ひとりだけでした。 ・バリエーションとして「1本の鉛筆」もあります。

単身赴任の強い味方:ひとり鍋(常夜鍋)

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  冬の夕食は「ひとり鍋」に限ります。その中でも「常夜鍋」はいかがでしょうか。毎晩食べても飽きない、というのが「常夜」の語源だそうです。一般的には、ほうれん草+豚肉(薄切り)が具材のすべてです。それをポン酢でいただくのですが、ほうれん草をいろいろな野菜に変えることで、バリエーションが楽しめます。私は、ほうれん草よりも、小松菜、水菜、青梗菜を使う方が好きでした(白菜は火が通るまでに少し時間がかかります)。 何と言っても「仕事帰りに具材を買って帰ることができる」ことが大きな魅力です。コンビニ弁当には飽きた。でも、作るのは面倒臭い、という時には、是非、常夜鍋をお試しください。ほうれん草はできればあく抜きをしたいところですが、小松菜や水菜だとあく抜き不要で、準備から食べ始めるまで10分もかからないと思います。 また、野菜と豚肉という組み合わせは栄養のバランスも良く、シメに冷凍うどんをいれると満足感も倍増します(私の場合は、それに日本酒が付くので3倍満足です)。 私は常夜鍋という名前を池波正太郎の随筆で知ったのですが、名前を知る以前から私のレシピには含まれており、休日に具材を買いそろえておくと、3日くらいは常夜鍋で乗り切ることができます。 あるまかんポイント ・意外と量を食べることができるので、あまり小さな鍋だと物足りなくなります。できれば、直径20cmくらいのものが欲しいですね。私は、土鍋ではなく、写真のダイアコートアルミ鍋(確か2000円くらい)という鍋を使っていました。 ・最近は、ガスコンロではなくIHコンロのところもあると思いますので、鍋/フライパンの購入時には注意しましょう。 ・豚肉はロース肉でもいいのですが、バラ肉の味も捨てがたいです。冷凍保存できますし、余れば野菜炒め、焼きそば、お好み焼きにも使えます。 ・鶏肉も悪くはないのですが、豚肉よりも煮えるのに時間がかかります。牛肉はアクがたくさん出るのと、味の面からもこの鍋にはあまりおすすめしません。 ・ポン酢を忘れないように!!七味唐辛子も!柚子胡椒があれば言うことなし!

愛車は私と同い年?

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何度か新車に買い替えようとディーラー巡りをしたが、愛車を手放すことができない。どうしてかと考えた末にたどり着いた答えは「愛車だから」。我が愛車PTクルーザー2000Limitedは2004年生まれの18歳。人間で言うと65歳くらい(計算基準は秘密)で、私とほぼ同い年である。ただし、走行距離が少なく、まだ4万キロを少し越えたくらいである。 何が気に入っているのかと言うと、そのスタイル。「車は見た目が全て」が私の主張だが、PTクルーザーの見た目は秀逸である(個人の感想です)。例えば、道でしばし停車している間でも横を歩いている人が「この車は何だ?見たことがないぞ」とじっと見ていく。私はそれが快感なのである。ナルシズムと言われても構わない。それが事実なのである。 ところが、今の新車はどうだろう。トヨタも日産もホンダも区別がつかない。みんな同じ顔をしている。アウディもポルシェもマツダも同じだ。世界にカーデザイナーは二人しかいないのかと言いたい。私もそれらの車を見て「この車は何だ?」と思うことはある。ただし、その後に続くのは「さっき見たのと同じだぞ。メーカーが違うのに」である。 PTクルーザーはすでに生産販売が中止になって久しい。日本の自動車メーカー殿、クライスラーからデザインのパテントを買い取ってPTクルーザーを復活させてくれませんか。お願いします。必ず買います。 あるまかんポイント ・アメ車は故障が多いと言いますが、それほどでもありません。毎年、何かのトラブルが1回くらいです。ただし、燃費は極端に悪いです(5km/リットルくらい)。 ・「20年以上PTに乗ってるよ」という方、是非、ご連絡ください。いろいろと教えを乞いたいです。

オススメ:オンラインミーティング用の背景を作る

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10月8日の記事にも書きましたが「自分の趣味のものを利用してオンラインミーティング用の背景を作る」がおすすめです。 以前に紹介したものは「 好きな本の表紙」でしたが、それ以外にも「好きなお寺の御朱印」「好きな日本酒のラベル」「好きなレコード」のオンラインミーティング用背景を作っています。 あるまかんポイント ・カラフル過ぎるとミーティングの時のトラフィック(データ量)が増えて動きが止まってしまい、ほかの参加者に迷惑をかけるので、薄い白黒で作ってください ・同様にカラフル過ぎたり、白黒が濃すぎたりすると、自分の映りも悪くなります ・ここに掲載したものはオリジナルの著作権が関係しますので絶対に使用しないでください

単身赴任の掟 番外編

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  【番外編の1】 休日も仕事の日と同じ時間に起きて外に出かけましょう。家に閉じこもってダラダラしていると、体も心も疲れます。知らない町を知ることはリフレッシュのひとつの方法です。スポーツや趣味の同好会にはいるのもいいかもしれません。仕事以外でのネットワークもできますし、異業種交流という意味での情報交換ができるかもしれません。 【番外編の2】 行きつけの店を作りましょう。 ・私の場合、最初にできた行きつけの店は「クリーニング屋さん」でした。ネクタイ好きなので白いワイシャツが欠かせませんでしたが、アイロンをあてるのが面倒くさいので近所のクリーニンフ屋さんにお世話になりました。洗濯物を持っていくと、いつも何かと話しかけてくれて、心がホッとする瞬間でした。 ・次にできた行きつけの店は「デパ地下の惣菜屋さん」でした。あまりによく来るので、アルバイトの女子店員さんに覚えられてしまいました。でも「いつもありがとうございます」と言われた時は少し恥ずかしかったです。 ・その次は「近所の寿司屋さん(そんなに高くない)」と親しくなりました。コツコツと節約して、小遣いがたまったらその寿司屋に行っていました。ある日「タイのアラ煮、食べる?」と聞かれて「いいね」と答えると、おいしそうなアラ煮を作って出してくれました。でも、勘定がいつもの3倍くらいになっていて、それ以来、行かなくなりました。その親父さんとは道でよく出会って「また、よろしく」と言われるのですが、なかなか足が向きませんでした。 ・一番親しくなったのは「近所の居酒屋さん」でした。通っているうちに、ほとんどすべての従業員(店長以外はアルバイト)と親しくなりました。「新作を考えたから食べてください」、「好きそうな日本酒を入れておきましたよ」と言われたり、人生相談を受けたり、独立する従業員の開店祝いに誘ってもらったり。単身赴任生活終了で東京から引き上げることを告げると店長が一番高い一品をおごってくれ、送別品までいただきました。 あるまかんポイント ・知らない町で、知らない人と触れ合うことは大きな喜びです。ただ、そのきっかけがなかなか作れません。やはり、自分から近づいていかないといけないのだと思います。仕事の上下関係や利害関係ではなく、フラットな気持ちで知り合った人たちには大いに励まされました。

単身赴任の掟 その5「家族の記念日/イベントはしっかり覚えておく」

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  (たぶん、これが一番大事 !!!!) その時、私は新宿の東急ハンズと紀伊国屋書店をつなぐペデストリアンデッキ(渡り廊下)にいました。土曜日だったと思います。本を買いに行く途中でした。不意に携帯電話が鳴りました。息子からの電話でした。 「おお、久しぶり。どうした?」 「うかった・・。」 「ん?」 「合格した・・・」 「えっ?」 「xx大学に合格した」 「・・・。そうか、やったな!」(すっかり忘れていました。息子の第一志望の大学の合格発表日でした) 「うん・・・」 「1年間の浪人生活、よく頑張ったなあ。」 「うん・・・。じゃあ」 「来週、帰るから」 「うん・・・」 先日、37歳になった息子とビールを飲みながら「あの時はすまん。実は忘れてた。」と謝りました。 やっぱり、離れていても家族は大切にしなければいけません。単身赴任という意識が強く、自分の生活で精一杯になりますが、家族のことを忘れてはいけません。家族のイベント、誕生日、結婚記念日、ましてや子どもの入学試験の発表日を忘れるなんて、あってはいけないことですよ。 あるまかんポイント ・先日、息子にこの話をしたとき、本当にゴメンと言いながら、思わず反省の涙が出てしまいました。みなさんは家族のイベントを忘れることの無いように十分注意してください。

単身赴任の掟 その2、その3、その4

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  (今回は「単身赴任の掟」その2、その3、その4をまとめてお送りします) 掟その2【アルコール類はストックしない】 これは単身赴任の大先輩から教えられた掟です。お酒を飲まない人にはあてはまらないのですが、私のように「アルコールが無いとごはんが喉を通らない」という方には、是非とも守っていただきたい掟です。酒が好きな人は、近くにアルコール類がたっぷりあるだけで幸せを感じてしまい、安心感に包まれてしまいます。その結果、「明日も仕事」という日でも飲みすぎたり、食事もそこそこにアルコールでお腹を満たしてしまいがちです。自宅では大切な家族が待っています。体を壊さないようにしましょう。今はコンビニが発達しています。コンビニを自分の冷蔵庫だと思って、その日の分だけのアルコールを買うようにしましょう(酒好きには、とても難しいですが・・・)。 掟その3【蕎麦とレタスをストックする】 単身赴任でなくても当たり前ですが、三食はきっちり食べましょう。昼は勤務先で食べることになると思いますので大丈夫ですが、問題は朝と夜です。私は、朝起きることに問題はないのですが食欲が出ません。でも朝起きたら、(私は酒と並んで大のコーヒー好きなので)自分でコーヒーを挽きドリップしている間にパンを焼き・・・とやっている間に少しずつ食欲も出てきます。そして、大事なのが夜です。疲れて帰ってきて食事を作ることのできる人を私は尊敬しますが、私は、そのタイプではないので、デパ地下かコンビニにとてもよくお世話になりました。ただ、それもあまり続くと飽きてしまうのです。そんな時は蕎麦(乾麺)を茹でて、軽く水で洗い、その水を切ってどんぶりに入れ、切ったレタスをその上にどっさり乗せ(無ければ他のものでもOK)、めんつゆをかけるだけで立派な夕食になります。あまり栄養価は高くありませんが、トッピングを変えると楽しめます。是非、蕎麦(乾麺)とレタスを常備してください。めんつゆも忘れずに! 掟その4【風邪をひかない】 掟の2と3に続くのは「風邪をひかない」です。ひとり暮らしで風邪をひいて寝込むのは悲しいですし、対仕事、対生活のモチベーションがドーンと低下します。風邪をひかないコツは、やはり食べること、寝ること、そして「風邪はひかない」と毎日、宣言することです。 あるまかんポイント ・掟その3は蕎麦の代わりに「冷凍うどん」という手もあります

海外からの留学生を日本の大学に入学させる話 [志望校/受験校選定] Part.3

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(志望校選定、受験校選定の話がまだ続きます。) 担当している学生から、よく同じ質問を受けました。「xx大学はいい大学ですか?」という質問です。わたしのはその質問にいつも「いい大学って何?」という質問返しをしていました。日本の高校生の進学指導をした経験はありませんが、想像するに、同じような質問をする日本人も多いのではないでしょうか。残念ながら私の質問返しの質問に答えられる学生はいません。そりゃ、そうですよね。そんな質問に答えられるくらいなら、最初の「xx大学はいい大学ですか?」の質問は発生しませんよね。 質問返しの後、私はいつもこう答えていました。 「いい大学」の基準はいくつかある。偏差値(日本人の言う)が高い、有名な研究をしている教授がいる、授業やゼミが充実している、授業が易しい、就職率が高い、有名企業への就職に有利、留学生に親切、授業料が安い、奨学金がある、まじめな学生が多い、気楽な学生が多い、自然環境が豊か、にぎやか、クラブ活動が盛ん・・・・。数え上げればきりがないが、君は何を求めているのか? この先は、その学生とじっくりと話さなければ進みません。いわゆるコンサルテーションですが、何せ、日本語が流暢ではない留学生たちです。誘導的な質問をしたり、将来の希望や勉強したいことなどを聞き、EJU/JLPTの成績と募集要項(その時点で公表されていなければ前年のもの)をながめながら、志望校・受験校を固めていくプロセスを進めていくのです。 このプロセスが一番難しく、学生自身が「自分で決めた」という納得感が無いと、この後のプロセスも気持ちのこもらないものになってしまいます。 あるまかんポイント ・志望校・受験校決定のプロセスは1回の面談だけでは終わりません。何度も面談をしていると「前回言ったことと違う」状況も発生します。これを避けるため、私は板書(または白紙へのメモ)をしながら面談を進め、終わった時点で写真を撮り、学生にも送るようにしていました(議事録のイメージです)。 ・志望校・受験校が決まるとExcelで作った受験予定表を作成します(受験校とその日程や受験科目、備考などを記入したもの)。それが合格までの中心の資料になります。 ・本文に書いた「募集要項」を調査するのは量的/質的/時間的に大変な作業です。 - 量的:一人で4つの大学を受験するとして、10人がバラバラの大学を受験

明治神宮外苑の思い出

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もうすぐイチョウが色づく頃ですが、今の東京の明治神宮外苑(写真)はどんな様子でしょうか。ことしは(も)、突然、秋になってしまったので、明治神宮外苑のイチョウ並木が色づき始めるのも早いのではないでしょうか。 明治神宮外苑は、私にとって、いろいろな思い出のある場所です。イチョウ並木だけではなく、国立競技場、神宮球場、秩父宮ラグビー場、絵画館、おしゃれなカフェなど多くの施設が徒歩圏内にたくさん集まっているので、散歩好きな私は休日にやることが無いと明治神宮外苑をブラブラして、何かイベントをやっている施設に入っていくという過ごし方をしていました。 たとえば・・・・ ある日、国立競技場のそばを通ると「東京国際女子マラソン」の旗が見えました。正門まで行くと入場無料の様子。入ってみるとスタート直前の女子マラソン選手たちが並んでいます。その中には高橋尚子選手もいるはずでしたが、競技場から外に出るところでしか見つけることができませんでした。選手たちが2時間後に競技場に戻ってくる少し手前の飯田橋で待っていると高橋選手が1位で私の前を通過しましたが、その後、残念ながら四谷の坂で抜かれてしまったそうです。 また、ある日、今度は意識して東京国際女子マラソンを見るために国立競技場に行きました。その時はスタート時間ではなく、神田神保町の交差点を選手が曲がっていくのを見送って、ゴールを待ち受けるタイミングで国立競技場に向かったのでした。野口みずき選手が1位でゴールのテープを切った瞬間は写真に納まっています。 また、ある日。秩父宮ラグビー場のそばを通るといつもよりにぎやかな雰囲気だったので門のところまで行くと早慶戦とのこと。何とか切符を手に入れて中に入ると、もう後半戦で、接戦が繰り広げられていました。何とこれが、あの知る人ぞ知る「早慶戦の記念すべき日:引き分け試合」だったのです。そのノーサイドの少し前の瞬間も写真に納まっています。 そして、イチョウ並木。私の写真の中のお気に入りの1枚は葉っぱが散って、道路がイチョウの葉で埋められたイチョウ並木の写真です。 ここに書いた写真をすべて掲載したいのですが、全てに人物が写っているので、個人情報保護/肖像権の観点から掲載することができないのが残念です。 あるまかんポイント ・ 明治神宮外苑 Meijijingu Gaien ・明治神宮外苑は明治神宮の社殿からは離

すぐに眠くなる本

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  本を読むのが好きなのですが「趣味は読書」とは決して言いません。どうしてかというと、椅子やソファに座って読むのではなく、眠りにつく前に布団の中で横臥状態で本を読むので「趣味」とは言えないからです。雑誌くらいならいいのですが、椅子に座って、じっと本を読んでいると、すぐに疲れてしまって読むのをやめてしまいます。じゃあ、布団に入って本を読むと疲れないのかというと、そうではなく、30分以内くらいに眠くなって寝てしまうのです。つまり、私なりの睡眠導入法です。でも、ワクワクする本や涙が止まらないような本だと興奮して30分で眠くならないので、できるだけ「静かで落ち着いた本」か「おもしろいけれども難しい本」を選ぶようにしています。もうひとつのポイントはハードカバーではなく文庫本か新書を選ぶということ。重くてページがめくれないからです。ちなみにハウツー本は買いません。 この図はオンラインミーティングの背景用に使うために、3年前に私の好きな本を並べて作ったものですが、話題作りにいいので気に入っています。 「静かで落ち着いた本」の代表は紀行文や旅行記です。この図の中にもありますが、村上春樹さんの「遠い太鼓」と太田和彦さんの「ひとり飲む、京都」、開高健さんの「オーパ!」「もっと遠く!」は、どれも十数回読み返していますが、何度読んでも飽きません。司馬遼太郎さんの「街道をゆく」シリーズも大好きですが何せ巻数が多いので読み返すまでには至りません。 「おもしろいけれども難しい本」として「ファスト&スロー」では行動経済学という分野を知ることができましたし、添付の図にはありませんが「人新世の『資本論』」は私が言いたかったことをズバッと言ってくれて感激しました。 私の好きな本を紹介し始めるときりがありませんが、本を選ぶ時の本質は「眠るため」ではなく「感動する本」です。そして、私の「感動する本」の定義は3つです。 ・すなおに感動する本 ・知らなかった知識を教えてもらって感心する本 ・自分の言いたかったことを代弁してくれて「そう、これが言いたかったこと」と感激する本 この図の中の本、どれも、おススメですよ。 あるまかんポイント ・本文にも書きましたがこの図のようなものをJPEGで作ってオンラインミーティングの背景にすると話題になっておもしろいですよ。 ・気に入った本は読み返すために残していますが、そうでな

海外からの留学生を日本の大学に入学させる話 [志望校/受験校選定] Part.2

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  (前回に続き、留学生の大学受験サポートの中で「志望校・受験校を決める話です) 大学進学指導の担当になる前、別の日本語学校で、ある中国人学生に「どうして日本の大学に行きたいの?中国にも大学はあるし、アメリカやヨーロッパにもあるでしょ?」という質問をしてみたところ、その留学生曰く「本当に頭いい奴は中国の大学、頭がよくてお金のあるやつは欧米の大学、そうじゃないやつが日本の大学」という答え。なるほど、雰囲気としては非常によくわかる。つまり「大学を卒業した」というバリューが欲しいわけだ。何だ、日本の学生といっしょか。 (前回は【志望校選定・受験校選定】Part.1としてJLPTとEJUを話題にしましたが、今回もその続きになります) 【志望校選定・受験校選定】Part.2 ・JLPTは上からN1、N2、N3、N4、N5という認定レベルがあるが、大学進学の一応の目安としてはN2取得以上と考えるべきである。なぜならば、N3レベルでは大学の授業についていけないからである。(ただし、偏差値の低い大学の中には「認定レベル不問、面接で確認」というところもある。 ・EJUについては日本語の試験だけではなく、総合科目、数学、理科(物理、化学、生物)の試験があり、理系/文系区分によって受験科目が違う ・JLPT,EJUの採用大学は以下で調べることができる  大学院・大学学部・短期大学|留学する学校を探そう|Planning studies in Japan~日本への留学計画~|日本留学情報サイト Study in Japan https://www.studyinjapan.go.jp/ja/_mt/2021/11/School_Search_20200512.xlsx ・国公立大学や一部の有名大学では英語の外部試験(TOEIC、TOEFL)を受験の必須条件にしているところがあるので要注意。できれば、TOEIC、TOEFL両方のスコアを持っていることが望ましいが、偏差値の高い大学ではTOEFLに限定しているケースが目立つ (【志望校選定・受験校選定】Part.3に続きます) あるまかんポイント ・EJUは全ての科目の難易度が高く、受験生の自習では追いつきません。そのため、日本語学校でも対策授業を行っていますが、高得点を目指す学生は専門の家庭教師(オンライン)の授業を受けたりしています。(つま

海外からの留学生を日本の大学に入学させる話 [志望校/受験校選定] Part.1

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日本語学校で2年間、私費留学生の(日本の大学への)大学進学指導という担当になった。と言っても1年に10人を担当して、希望する大学を受験させ合格させるという担当である。1年目は中国人学生が4人、ベトナム人学生が4人、ネパール人学生が2人という担当で、2年目は中国人学生が7人、ベトナム人学生が3人という担当であった。 日本語教師になったのも好奇心からだし、その中で大学進学担当を引き受けたのも好奇心からであり、全く指導経験も実績もなかった。自分の子どもにさえも大学進学指導の経験がないばかりか、自分自身では受験勉強さえまともにした記憶がない(最終的に受験する大学をあみだくじで選んだという高校生であった)。 そんな私が大学進学指導という名のもとに何をしたかというと「面談による志望校選定・受験校選定」「志望理由書作成サポート」「面接指導」「願書作成/出願サポート」「(合格後)入学手続きサポート」である。周囲の諸先輩方からのご支援・ご助言を受けながら私なりに注力した仕事だったし、成果も残せたと感じている。以下は、今後、日本語学校等で大学進学指導をされる方には間違いなく役に立つ情報である。是非、ご一読いただきたい。 【志望校選定・受験校選定】Part.1 ・予め志望校/受験校を決めている学生が皆無というわけではないが、ほとんどが決めていないか、決めていたとしてもその理由が希薄な学生が多い。理由の多くは「有名だから」「友だち/先輩が行ってているから」というレベルである。 ・留学生の大学受験には「日本語能力試験(JLPT : Japanese Language Proficiency Test)」「日本留学試験(EJU :  Examination for Japanese University Admission for International Students)」を受験してることが望ましい。(大学によって、どちらかを出願条件として指定し、かつ足切りを設けている場合が多く、一般論で言うと、偏差値の高い大学はEJUを重視し、そうでない大学はJLPTを重視する傾向がある) ・JLPTは7月と12月、EJUは6月と11月に実施されるが、それらの申込時期は早く、4月から進学指導を開始する場合JLPTの7月テストの申し込み締め切りが4月初旬のため、間に合わない場合が多い。また、EJUの6月

単身赴任の交通事情

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どこの都市も同じではないと思うのですが、私が約20年間過ごした単身赴任地の東京はバスネットワークが整備されて、とても便利でした(当然、JR、私鉄、地下鉄も整備されているのですが)。 最初の10年は京王バスのバス停から15秒(道路の両側にバス停があるので、反対方向のバス停までは30秒)くらいのマンションに住みました。地下鉄の駅までは徒歩12分くらい、私鉄の駅までは徒歩22分くらいかかりますが、バスなら、疲れて帰って来るときも15秒です。ただし、バスだけで仕事場に到着するわけではなく、京王バスとJRの合わせ技です。 あとの10年間は都バスのバス停から3分くらいでした。ここも、地下鉄の駅まで徒歩で10分、JRまでは20分くらいでした。そして、ここでも都バスとJRの合わせ技でした。 東京でバスを利用した通勤には次の3つのメリットがあると感じています。 1.とにかく家の近くにバス停がある(ただし23区内) 2.駅近ではなくバス停近なので、少しだけ家賃が安い(ように思う) 3.京王バスでも都バスでも、定額区域用定期券を買うと定額料金区域内ならどこでも行ける(*要注意です。あるまかんポイントをごらんください) とくに3が大事です。通勤ではない休日のお出かけに重宝します。その定期さえあれば(そのバス会社のバスが走っていれば)どこでも行けます。また、知らない町を散歩をしていて疲れた時でも、バス停があればどこかの駅には連れて行ってくれます。3つの中には入っていませんが、隠れたメリットとして「身近なバス旅行気分が味わえ、知らない町の風景をじっくり眺めることができる」ということも感じていました。 もし、単身赴任地で住居探しがまだの方は、バス通勤も候補に入れられてはどうでしょうか。 あるまかんポイント ・ (重要)京王バスの「都区内均一区間定期券」は発売を中止したそうです ・都バスは3か月定期26,930円です(2022.10.7現在) ・都バスの定期券はJRのICカード(Suica)に合体させることができて便利です ・その他のバス会社についての情報はここには掲載できませんでした。お住まいになる場所にあわせて「区域用、金額、ICカード」などの情報を調べてみてください

年に1度は東寺へ行く習慣

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東京から新大阪へ向かう新幹線に乗り、京都駅を過ぎてすぐ左手に見えるのが東寺(教王護国寺)の五重の塔です。「弘法大師空海推し」の私は1年に一度、必ずこの東寺を訪れており、それがもう20年近く続いています。 何がいいかというと、まずは、空海が嵯峨天皇から授かった寺院であるという由来。そして、この東寺自体が世界遺産であり、国宝や重要文化財がたくさん収められているというところです。特に講堂に配置されている仏像群(空海が設計したと言われる立体曼荼羅)には圧倒されます。立体曼陀羅の中心は大日如来で、空海が興した真言宗の中心となる如来像です。多分、宗教心の無い人でも、この大日如来を見ると手を合わせたくなるでしょう。名前からしても、大きさからしても、中央に配置された大日如来は太陽のようなイメージです。 東寺は洛中でも南の端にあるので、にぎやかな祇園や華やかな金閣寺と比較すると観光客もそれほど多くなく(と言っても、観光シーズンになると、やはり多いのですが)、建物も仏像もゆっくりと見ることができます。 是非、一度、訪れてみてください。 あるまかんポイント ・東寺へは、JR京都駅から徒歩20-30分くらいですが、方向音痴で歩きたくないという人には近鉄電車東寺駅からが便利で、徒歩10-15分くらいです。また、バスの利用も可能で、東寺の門のすぐそばにバス停がありますので調べてみてください。 ・京都はバスの交通網が発達しているので、バスを利用すると観光には安くて便利です。ただし、 観光シーズンのバスは絶対におすすめしません。 以前、歩いて30分ぐらいのところを10月の観光シーズンにバスで2時間かかりました。 ・東寺近隣には、あまり食事処が多くありません。 ・ 交通のご案内|東寺 – 世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺 (toji.or.jp)

単身赴任の掟 その1「土地に惚れろ」

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絶対に守らないといけない「単身赴任の掟」の第1回目は「土地に惚れろ」です。(実際には、「できれば、やった方がいいよ」レベルです) 読んで字の如しですが、 赴任先の土地を好きに ならなくてはいけません。国内でも、海外でも、田舎でも、都会でも、短期でも、長期でも同じです。その土地を好きにならなければ、ワーク・ライフ・バランスどころか、ワークもライフも崩れてしまいます。 土地といっても色々な観点があると思います。その地域の地理的な環境、人、食、気候、交通など、様々です。すべてに惚れることができれば言うことなしですが、私がまずお勧めするのは「その地域の地図を頭に入れること」です。 私の場合の単身赴任地は東京でしたが、土地に惚れるため一番最初にやったことは「東京23区の場所と名前を全部覚える」ということでした。よく「東京に本当の東京人はいない」と言われますが、私のケースでもまわりの社員は、ほとんどが千葉、埼玉、神奈川から通っていて、実は東京23区にあまり興味を持っていませんでした。 早速、本屋に「東京23区地図」を買いに行き、全体図とともに各区の名前と場所を覚え始めました。すると、不思議なことに、自分の故郷でもない東京に愛着を感じ始めたのです。そして1週間後には23区の名前と場所を丸暗記してしまいました。 次に私がしたことは、JR山手線の駅名をすべて覚えることでした。これも、灯台下暗しで、すらすらと言える人はあまりいませんでした(23区よりましでしたが)。休日ごとに実際に山手線に乗り、ひと駅ごとに散歩をしてみると、地図も頭に浮かんできて、「我が町」になったことが実感できたことを覚えています。 赴任地によって、土地を好きになる方法は違ってくるかもしれませんが、「地図」と「交通」は間違いのないポイントだと思います。 (自宅のある大阪に戻って気が付いたのですが、大阪市の区の名前を言うことができません😓) あるまかんポイント ・インターネットの時代なのでスマホがあれば、どこでも地図を見ることはできますが、アナログ人間からの私のお勧めは「紙で本の形になった地図」です。ページをめくっていると想像力で夢が広がりますし、単身赴任生活が終わった後もボロボロになった地図を見ると当時のことを懐かしく思い出すことができます。 ・実は「土地に惚れろ」ということばを教えてくれたのは、社会人になって最初

海外からの留学生を日本の大学に入学させる話 【はじめに】

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  私費留学生が日本の大学に入学する方法には、次のようにいろいろなパターンがあります。 a. 日本で日本語学校や予備校に通って、日本の大学を受験する方法 b.母国や日本以外の外国で日本語を勉強して日本の大学を 受験する方法 c. 編入(これにも複数のパターンがあります。詳しくは こちら をご覧ください) このブログでは主にaのパターンを取り上げます。その理由は「一番多いケースだから」です。b,cのパターンもあるのですが、対象となる学生数はそれほど多くなく、また、b,cのパターンでは学生を受け入れる大学の数も限定されます。 どのパターンでもそれほど違いはないのですが、入学試験に合格して入学するまでにやらないといけないことは次の通りです。このブログでは、それぞれの項目を順を追って説明しようと考えています。ただし、実際には順序通りに事が運ぶわけではなく、学生によって/志望する大学によって「前後したり、並行したり、遡ったり」が日常茶飯事です。指導者のひとつの役割として、この交通整理も大切な仕事です。 希望の学部/学科を決める 大学受験の前提条件となる試験を受験する(受験しておく) 入試についての大学情報を集める 志望校/受験校(受験学部)を決める(変更可) 志望理由を明確にする 出願書類を整える 面接に備える 受験当日の準備をする 受験する 入学手続きを行う あるまかんポイント ・上記の10項目でブログ記事を書き進めていきますが、途中で思いついた項目については、随時追加していきます。ご質問やご指摘があれば、それも追加記事として取り上げさせていただきます。

由緒正しいモミジ(刃傷松の廊下)

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  我が家には「由緒正しいモミジ」があります。この写真に写っているのが、その由緒正しいモミジです。 では、由緒正しいモミジの物語です。 ある日(2014年10月だったと記憶しています)、単身赴任生活の休日で暇を持て余していた私は、運動を兼ねて散歩に出かけました。行く先は皇居です。当時、私が住んでいたところから皇居までは、徒歩で25分くらいの距離だったでしょうか。散歩にはちょうどいい距離なので、皇居を右に回って国会議事堂に行ったり、具体的な用事が無いのに国会図書館に行ったりしていました。その日は、何を思ったか、左回りに歩き始め大手町を越え、将門塚を右に見ながら竹橋から東御苑に入っていきました。 やはり皇居は広く、方向音痴になってしまいましたが、歩いていると「松の大廊下跡」という場所に着きました(赤穂浪士の物語の発端として、赤穂藩の浅野内匠頭が吉良上野介に切りかかったという廊下です)。かつて、カラオケのウケ狙いでよく歌った「刃傷松の廊下」です(今は歌いません)。ただ、「跡」なので、あの有名な(?)松を描いた障子も廊下そのものもありません。ただ、ポツンと、石のベンチがありました。 私はそのベンチに座り「松の廊下って、本当にあったんだ」と感心していましたが、ふと下を見ると、季節柄、竹トンボの羽を小さくしたようなモミジの種がたくさん落ちています。私は、そのうちの一番元気そうなひとつをハンカチに包んで持って帰りました。 その種の8年後の姿が、この写真の由緒正しいモミジです。今では、30cmくらいに成長していますが、植木鉢が小さいため、これ以上は大きくならないと思います。 どうです、由緒正しいでしょう(法律には抵触していないはずです)。 これにて、松の廊下由来のモミジの話、一件落着!。 (ちなみに横に写っているのは、世田谷区の砧公園で拾ったドングリの今の姿です。意外と、何でも、芽を出すものですよ。) あるまかんポイント ・ (重要) 公園では管理されている方が発芽させるために種を植えておられる場合があり、発芽した苗を抜いて持って帰ると犯罪になります。植えているものではなく、あくまでも「落ちているもの」を拾ってください。 ・我が家では、モミジ、ドングリ以外にも種から育てたアボカドがあります。 ・モミジは小さいながら紅葉します。 ・どれも植木鉢で育てているので大きくはなりません。 ・

「ダイバーシティ」と「多様性」

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  「ワーク・ライフ・バランス」と並んで、私が疑問に思う言葉が「ダイバーシティ」です。「ダイバーシティ」の日本語訳は「多様性」ですが、私の感覚(あくまで感覚で、学術的な裏付けはありません)では、「ダイバーシティ≠多様性」のように感じるのです。それは、私が仕事をしてきた環境(年齢、性別の差は一切なし)のせいかもしれません。この二つのことばを使う場面を想像してみると、「多様性」というと、単にいろんな種類の人間が集まっている状態(場面)をさすのに対し、「ダイバーシティ」は、意見や価値観が違う人が何らかの目標を達成するために協力する場面を想像するのです。 私の感覚をもとにすると、年齢も国籍もバラバラで、皮膚の色も違い、障害のある人もいたり、性別に対する考え方が違う人たちもいる状態は多様な社会ですが、その人たちのグループに、ある目的を与えた時、その中の多くの人に「興味ないなあ」「特に意見無し」「そんな能力は無いよ」と言われてしまうと「ダイバーシティによって、目標を達成しよう」とは言えなくなるのではないでしょうか。 つまり、何がダイバースかというと「能力、価値観、論理、立場」というような、人間の中に内在するものであり、外面ではないということです。 いくら女性政治家を増やしても(もちろん男性であっても)、能力や自分の意見やビジョンの無い人は数に含めるべきではないというのが私のダイバーシティ観です。ご批判もあるでしょうが。 あるまかんポイント ・ダイバーシティの世界に住む人は「ダイバーシティ!」とは叫ばないものだと思っています。 ・私の言いたいことは「男女比率、年齢比率のような定量的なものではなく、定性的なものを如何に計測するか」ということに帰結します。

日本語教師事情(私の場合)

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  10年くらい前、神田神保町の三省堂で立ち読みをしている時に「日本語教師養成」の雑誌が目にとまりました。「ふーん、日本語教師という職業があるんだ」と感じただけで、その雑誌を深く読むことはなく、そのまま目的の文庫本売り場に移動してしまいました。 それから月日が経ち、定年を迎えた私は「さて、毎日が日曜日状況をどう過ごすか」と思い悩みながらも何度かハローワークに通い、少しでも生活の足しになるような(でもハードワークではない)再就職口を探し始めました。もともと教育業界に興味があったので、大学の事務職の募集案件などをハローワークの検索機で見つけ、説明員の方に相談すると、応募要項には性別・年齢不問とあるものの(採用しないわけではないが)実際には、それなりの年齢の女性の職場だということでした(そりゃそうですね)。 帰宅してからもパソコンでいろいろと検索しているうちに「日本語教師養成講座」の文字が目に入り、あの時の本屋での立ち読みの情景が浮かんできたのです。 日本語教師になりたいなどと思ったことはありませんでしたが「日本語を外国人にどうやって教えるのだろう」という興味から、とにかく説明だけでも聞いてみようと、すぐに説明会の参加を申し込みました。説明会はパンフレットをなぞるだけのものでしたが、受講料が失業保険の額とほぼ同じであることを知り、その場で口座の申し込み契約にサインしてしまいました。 講座は私と同じような年齢の男性/女性、ずっと若い女性、子育てが終わりそうな年齢の女性、私より一回りくらい上の男性/女性に加えて、20代の男性/女性も混じった40人くらいのクラスで意外と盛況でした。 聞いてみると、「海外に行って日本語教師をしたい」「海外に移住したいので、その時の小遣い稼ぎで日本語教師をする」というかっこいい理由の人もいれば「ボランティアとして近所の外国人に日本語を教えたい」という素晴らしい人もいました。ただ、やはり、一番多いのは「日本の日本語学校で働きたい」という人で、私のような「単に興味があるから」という人も2-3人いました。 半年の講座も無事に終えて認定証を手にし、養成学校の就職口紹介の掲示板で「大学院大学での留学生の論文指導者募集」の案件を見た私は「日本語教師になりたい」などとは思っていなかったにもかかわらず、すぐに応募し、そこから日本語教師の険しく短い道が始まったのです

56億7千万年後

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私は宗教家でもないし、何かの教団の信者でもない。むしろ無宗教を誇りにしている。しかし、「弘法大師空海」推しである。自分で唐に渡る資金を集め、政治の上層部とのコネクションを作り、遣唐使となって唐で成果を上げ、帰国してからは一大宗派を作り上げるとともに、民衆と産業を助ける土木工事を指揮したりした。「唐から持って帰った経典を貸してよ」と言ってきた最澄に「お前、修行してないやろ」と追い返したという逸話も好きである。空海のあの時代に、このビジネスセンスとリーダーシップ(+人間臭さ)を発揮したことに対して、私は「ファン」を公言している。 また、それとは別に、私は、仏像好きでもある。  写真は弥勒菩薩半跏思惟像で、紙でできている。私が作成した。といっても20年くらい前に買ったペーパークラフトの本(切り取って組み立て、糊付けしていけば完成する)が本棚の奥から見つかり、暇つぶしに今年(2022)の夏に作成したものである。空き時間を見つけて約45日で完成した(おかげで肩こりが取れなくなってしまった)。 モデルは京都広隆寺の有名な弥勒菩薩半跏思惟像である。弥勒菩薩については、空海が「私は56億7千万年後に弥勒菩薩につきしたがって現世に戻り衆生を助けるであろう」といったと言われる。 早く56億7千万年経たないかなあ・・・。 (京都広隆寺はおもしろいお寺です。この半跏思惟像を含めて、国宝や重要文化財の仏像がたくさん展示されていますが、派手な展示方法ではなく、触れることはできないものの、とても身近に感じられる展示方法です。京都の中心部のにぎやかさからは少し離れますが、京都観光の際には、是非、足をのばしてください。近くには、朝ドラで有名になった東映太秦映画村もあります。) あるまかんポイント ・広隆寺は京福電鉄嵐電(らんでん)「太秦広隆寺(うずまさこうりゅうじ)」で下車すると目の前に見えます(絶対に道には迷いません)。 ・嵐電は路面電車のような姿で、乗っているだけでも楽しめますし、有名な嵐山/嵯峨まで行くことができます。

肉を洗う・・・?

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   今朝の新聞に「肉は洗わないほうがいい」という記事が載っていました。「肉には雑菌がついていて、食中毒の原因になる可能性があるが、加熱すると殺菌でき、洗うと雑菌が飛び散って食器などに付着し、食中毒を広げてしまうので洗わないようにしましょう」という記事です。 この記事を読んで「肉を洗う・・・?どこの誰が肉を洗って食べている?」という疑問が頭を駆け巡り、記事の内容は全く頭に入って来ませんでした。 私は関西出身なので、肉といえば牛肉です。関東の人は肉といえば豚肉、中部地方では鶏肉だと聞いたことがあります。 確かに、鶏肉には雑菌がついていることが多いそうで、洗って食べる場合もあるそうです。多分、この記事を書いた人は鶏肉は洗って食べるものだと教育を受けた人なのでしょう。 私などは、すき焼き用の高級牛肉を水で洗っている場面が頭から離れなくなりました。 でも、料理を始めたばかりの人が「肉は洗って食べるものだったんだ」と思い込むような間違った情報を発信してはいませんか?大手新聞社殿!記事の見出しは大切ですよね。 (写真は「食のパラダイス」だったかつての築地を新橋汐留のビルから撮ったものです。食を表現するために使いました。この記事の内容とは関係ありません。今の築地はどうなっているのでしょうか。単身赴任時代、近くに住んでいたので気になります。) あるまかんポイント ・私が住んでいたころの築地は「場外(一般客向け)」と「場内(専門業者向け、ただし専門業者の買い付け時間が終わったら一般客も相手にしてくれた)」に分かれていました。その境目に食堂が何件か並んでおり、観光色はなく、手軽でおいしい店ばかりでした。 ・(牛丼の吉野家1号店の隣にあった)フライ系定食屋の禄明軒さんは豊洲で元気に営業されていますでしょうか。築地時代はよく通ったので顔を覚えていただき、メニューから好物のメンチカツ・イカフライ定食がなくなった後でも作っていただきました。